短歌とは、31文字の和歌で、五・七・五・七・七のリズムで成り立っています。
短歌は、「古事記」という最も日本で古い歴史書にある一節が始まりであるとされています。
平安時代の「万葉集」には、身分に関係なく、一般庶民から貴族までいろいろな階級の人の短歌が載っています。
これは、短歌という文化が奈良時代には確立されており、身分に関係なく、日本人に親しまれていたことを表しています。
ここでは、有名な短歌についてご紹介します。
目次
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<有名な短歌に使われているテクニック
短歌は、いろいろなテクニックが短い文章の中にもあるため素晴らしいものです。
有名な短歌には、主として次のようなテクニックが使われています。
掛詞
掛詞というのは、いくつかの意味を一つの言葉に掛けるテクニックです。
小式部内侍の和歌にある「まだふみも見ず」は、「橋」に絡めて「文」と「踏み」を掛けたものです。
小野小町の和歌の「ながめ」は、「眺め」と「長雨」を掛けて、「ふる」は「年月が経る」と「雨が降る」を掛けています。
人々は、このようなテクニックを使って恋文や歌合せなどで巧みに恋心を表現しました。
枕詞
枕詞というのは、ある特定の言葉についての決まり文句ともいえるもので、その言葉に掛かって、修飾する働きがあります。
有名な枕詞としては、「母」に「たらちねの」が掛かって、「君」「紫」「日」などに「あかねさす」が掛かるというようなものです。
基本的に、枕詞は五文字ですが、六文字になるときもたまにあります。
縁語
縁語というのは、歌の中に連想される意味があるいくつかの言葉を読み込んだものです。
小式部内侍の和歌では、「橋」と「ふみ(踏み)」で、足で踏んで橋は歩くため、この二つは縁語になります。
有名な短歌とは?
ここでは、有名な春の短歌、有名な夏の夏の短歌、有名な秋の短歌、有名な冬の短歌、有名な恋の短歌についてご紹介します。
有名な春の短歌
ここでは、有名な春の短歌についてご紹介します。
「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」
この短歌は、小野小町が詠んだもので、古今和歌集に収録されています。
非常に有名な短歌で、老いてきた自分の姿を色あせた桜に重ね合わせて詠んだものです。
短歌の中に無常観が現れており、日本らしい美学が感じられます。
「ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」
この短歌は、紀貫之が詠んだもので、古今集に収録されています。
気持ちとしては、桜の花びらが柔らかな日差しの中に散っていく、花はどうしてこんなにも慌ただしく散ってしまうのか、静める心はないのかということを表したものです。
日本らしい情景が浮かぶ短歌であるにも関わらず、哀愁が散りゆくことに感じられます。
「わが園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の 流れ来るかも」
この短歌は、大伴家持が詠んだもので、万葉集に収録されています。
梅の花が散っている情景を、まるで雪が天から流れてきているかのようであると詠んだものです。
空から流れ落ちてくるイメージをプラスすることによって、美しさをより際立たせています。
有名な夏の短歌
ここでは、有名な春の短歌についてご紹介します。
「春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」
この短歌は、持統天皇が詠んだもので、新古今集に収録されています。
夏の訪れが山の緑と布の白さで感じられることを詠んだ短歌で、非常に爽やかなイメージを与えるものです。
「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ」
この短歌は、清原深養父が詠んだもので、古今集に収録されています。
夜にたった今なったかと思ったら、もう夜が明けてしまった。夏の夜はなんて短いのだろう。」ということを、擬人法として「月が雲にお宿をとった」というものを使って表しています。
「とをちには 夕立すらし ひさかたの 天の香具山 雲隠れゆく」
この短歌は、源俊頼が詠んだもので、新古今和歌集に収録されています。
「遠い地」を「十市」に掛けて、遠くのところを意味しています。
遠くの地を見れば、夕立によって雨雲が天の香具山に覆いかぶさって、見えなくなったことを詠んだものです。
有名な秋の短歌
ここでは、有名な秋の短歌についてご紹介します。
「千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」
この短歌は、在原業平朝臣が詠んだもので、古今集に収録されています。
屏風に描かれた絵に合わせて詠まれた短歌です。
紅葉が龍田川一面に浮いて紅色の真っ赤になっている様子を、「水をしぼり紅染めにしている」と表しています。
「秋の夜も 名のみなりけり 逢ふといへば 事ぞともなく 明けぬるものを」
この短歌は、小野小町が詠んだもので、古今和歌集に収録されています。
秋は夜が長いのが一般的ですが、そのようなことは実際にはなく、あの好きな人と逢っているときは秋の夜がすぐに明けるという気持ちを詠んだものです。
「君待つと、我が恋ひをれば 我が宿の 簾動かし 秋の風吹く」
この短歌は、額田王が詠んだもので、万葉集に収録されています。
恋の短歌で、近江天皇を額田王が想って詠んだものです。
心待ちにいつ来るかと思っていると、秋風がそっと簾を揺らして、自分の心も揺らぐ様子を表しています。
有名な冬の短歌
ここでは、有名な冬の短歌についてご紹介します。
「田子の浦に うちいでてみれば 白妙の富士の高嶺に 雪は降りつつ」
この短歌は、山部赤人が詠んだもので、新古今集に収録されています。
冬の寒い日、海の青と、冬の「白富士」といわれる富士山に雪がしんしんと降っている幻想的な情景を詠んだものです。
「かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける」
この短歌は、大伴家持が詠んだもので、新古今集に収録されています。
白い霜に冴えわたる冬の夜空の星を見立て、「冬の夜空を見上げると、星が天の川に輝いて美しい。冬の夜がふけていくなあ」と感じ入る様子を詠んだものです。
「朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪」
この短歌は、坂上是則が詠んだもので、古今集に収録されています。
三十六歌仙の一人に、坂上是則は選ばれています。
雪や霜に月の白い光を見立てて詠んだものです。
有名な恋の短歌
ここでは、有名な恋の短歌についてご紹介します。
「恋ひわび しばしも寝ばや 夢のうちに 見ゆれば逢ひぬ 見ねば忘れぬ」
この短歌は、小野小町が詠んだもので、新千載和歌集に収録されています。
小野小町は、恋の短歌で人気になりました。
この短歌は、「恋しく思う人に夢の中で会いたい、眠っている間は会えなくても辛くて恋しい気持ちが忘れられる」という気持ちを詠んだものです。
「忘れじの 行く末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな」
この短歌は、儀同三司母が詠んだもので、古今和歌集に収録されています。
複雑な、永遠の愛を信じたいが信じきれない、という気持ちを表しています。
「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」
この短歌は、平兼盛が詠んだもので、拾遺和歌集に収録されています。
初々しい恋の歌で、バレないようにしていたのに、恋しているとわかるくらい平常ではない様子を詠んだものです。
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