家集(かしゅう)

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家集とは、1人あるいは一家の和歌を編集して収めた歌集のことです。家の集ともいいます。

現在に知られる最も古い家集は、猿丸(猿丸太夫)集、人丸(柿本人麻呂)集、赤人(山部赤人)集、家持(大伴家持)集とされています。このような家集は、万葉集から抜粋されたそれぞれの歌人の短歌などを1人分ずつに編纂し直したのと同じような内容で、他の歌人の歌が混じっていることもありましたが、概ね個人の和歌の鑑賞の用途に供されるにふさわしい和歌集で、そのような趣味が広まっていた背景が窺えます。

奈良時代までの歌人の家集は、国風文化が最も盛んとなり平仮名による文学が定型化した時期、つまり、平安貴族の藤原道長によって『この世をば わが世とぞ思う 望月の欠けたることもなしと思へば』という、道長自身の3人の子女が共に后となった喜びの絶頂の短歌が詠まれた頃までには成立していたと考えられています。

家集に関して、他撰でなければならないということはありません。

そもそもは子孫が先祖の歌集を編纂したり、院政の後には自撰家集を編纂したりすることも一般的でした。自撰家集は特に、院政期から新古今和歌集が編纂されるまでの間に、勅撰集と同じようによく読まれて盛んになりました。

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